【FX】 単純移動平均線と指数平滑移動平均線
はじめに
テクニカル分析において、数多くのトレーダーが注目している移動平均線には様々な種類があります。その中でもよく使われる単純移動平均線(SMA)と指数平滑移動平均線(EMA)について解説していきます。
単純移動平均線(SMA)
その名の通り単純移動平均線は、単純に過去n日間の終値を足した合計の値をnで割ったものを線にしたものです。
例えば5日移動平均線で説明すると・・・
1日目(4日前)・・・110円
2日目(3日前)・・・111円
3日目(2日前)・・・115円
4日目(1日前)・・・112円
5日目(本日)・・・110円
だとすると、合計値は558円です。これを過去n日と言うのはこの場合ですと5日のことを指しますので、5で割ります。そうすると111.6円と出ます。そして翌日の終値が例えば114円で終えたとします。すると、一番古い1日目の110円が除外され新しく114円が入ってきます。すると・・・
110円
111円
115円
112円
110円
114円
となりまして、合計562円です。これを5で割りますので、112.4円になります。
これを延々と繰り返して単純移動平均線のグラフが出来上がっている訳です。
指数平滑移動平均線(EMA)
指数平滑移動平均線は、直近の相場を重視した移動平均線で、非常に実戦向きだと言えます。計算式は少しややこしいですが(汗)同じ5日移動平均線で説明すると・・・
{昨日のEMA×(5-1)+本日の価格×2}÷(5+1)となります。本日の価格が2倍になっているのが、先ほどお伝えした直近の相場を重視しているという部分です。
例えば、昨日のEMAが111円、今日の価格が112円で式に当てはめてみると、111.333となります。そしてSMA同様、この計算が延々と行われてグラフになっている訳です。
どちらを使えばよいか?
SMA、EMAどちらも大きく変わることはありませんが、急激な相場の変化についていきやすいのはEMAに軍配が上がります。ですので、値動きの激しい通貨などには対応力があります。逆にSMAは常に相場を均等な加重で見ている訳なので、長期の移動平均線として使うのがオススメです。長期トレードですと直近の急激な相場の変化はあまり関係のないことだと考えられるので、SMAに軍配があります。
まとめ
以上のことから、短期のトレードにはSMAを使い、長期のトレードには、EMAを使うと各メリットを十分に発揮することができます。だからと言って短期にSMA、長期にEMAを使うのは良くないのか?と言いますとそうではありませんので、臨機応変に対応していくことが重要です。